恋と珈琲

惚れた人を意識し過ぎて毎回気持ち悪がられます。
 
感情ばかり先行してどう関わっていいのか分からなくなります。
とにかく迷惑にならないように、
気持ちを押し付けないように、
相手の自由を尊重するように努力しました。

一緒にいられるだけで幸せで、声を聞けた日はずっと相手の言葉を頭の中で反芻し、チャットを送ると返事がこないかもという不安でなにも手がつかなくなるのでいつも電話でした。

優しい人だから、そんな私の様子にも気付いていました。

あるとき、「君を幸せにできないから付き合えない」と言われました。なにを言うか。私は今この瞬間も、あなたの声を聞けて最高に幸せなのに。二人でお話出来るだけで今までもこれからもずっと幸せでいられるのに。

でも、彼の言葉選びはいつも誠実で、どうしても嘘には聞こえなかったです。私の好意を拒む方便にも、聞こえなかったです。

互いの居住地が非常に遠いからだとか、
普段の素行を知らないからとか、
しっくりこない理由をいままでに沢山聞きました。
なぜ「タイプじゃないから」とは言わないのかすごく不思議でした。そう言われたらきっぱり諦めがつくのに。

半ば強引に撤退する形でさようならを告げ、彼も私を引き止めませんでした。引き止めてほしい、とほんの少しだけ願った自分が構ってちゃんで嫌になりました。

 

2020年9月26日はこんな曇り空に覆われた朝で始まりました。恋愛感情のようなそれを昨日いれて風味が抜けたコーヒーと一緒にアパートの台所に流し込んで、今日も頑張ろう。みんなも頑張ろう。頑張ろうね。